英語文章を速く読むコツ|リーディング速度を上げる実践ガイド

学習のコツ

英語の文章を速く読みたい――多くの学習者が抱える目標です。 ただ「速く読む」だけではなく、理解を維持しながら読む速度を上げることが本当の目的です。この記事では、科学的根拠と実践的なトレーニングを組み合わせて、すぐに始められる具体的な方法を長めに解説します。


なぜ英語を速く読む必要があるのか

英語の速読は単に「時間短縮」のためではありません。情報量の多い英文を負担少なく処理できるようになることで、 学習の効率や読解の深さが向上します。研究や実践から言える主な利点は以下のとおりです。

  • 長文読解で疲れにくくなる(注意の持続が長くなる)
  • 語彙や文法パターンの自動認識が進み、瞬時に意味を取れる
  • リスニング力の向上(読むスピードと聞く処理速度は相関があります)

つまり速く読むということは、英語をより「自然に扱える」ようになることです。

チャンクリーディング(意味の塊で読む)

チャンクリーディングは最も基本で効果の高いテクニックです。英語は語順に従って意味が構成されるため、単語ごとに訳すのではなく意味の塊(チャンク)ごとに把握する訓練を行います。

実践例

例文:When I was a child, I used to play outside every day.
チャンクに分けると:When I was a child / , I used to play / outside every day.
各チャンクを視覚的に追って意味を取る練習を繰り返すと、語順を崩さずに理解できるようになります。

トレーニング方法(初級)

  1. 短い英文(1〜2文)を用意する。
  2. スラッシュ(/)でチャンクを区切りながら声に出して読む。
  3. 徐々に声に出す速度を上げ、最終的には目だけでチャンクごとに意味を取る練習をする。

音読で処理スピードを上げる

音読は「視覚→音声→意味」を同時に働かせるため、理解の自動化(自動処理)に非常に効果的です。目・口・耳を同時に使うことで、脳の処理経路が強化されます。

音読のやり方

  • 短い段落を選び、ゆっくり正確に読む(3回繰り返す)
  • 次にスピードを上げて読む(リズムを意識する)
  • 録音して自分の読みをチェック、発音や区切り方を改善する

毎日10〜15分の音読でも効果があります。Daily Englishの短いフレーズ動画を音読素材として使うのもおすすめです(記事末にリンクあり)。

サイトトランスレーションで「日本語変換」を減らす

サイトトランスレーションとは、英語を前から順に処理して意味を取る技術です。日本語に逐一変換しないことがポイントです。 これを身につけると、英語の語順でイメージが浮かび、読解が速くなります。

練習メニュー

  1. 英文をざっと読み、第一印象の要点を英語でメモする(日本語なし)
  2. 次に一文ずつチャンクで詳しく読み、英語で要約する
  3. 習熟したら英語のまま頭の中で説明できるかを試す

多読(エクステンシブ・リーディング)の実践

多読は大量の英文に触れ、パターン認識を高める訓練です。辞書を引かずに「意味が大体取れる」レベルの素材を大量に読むことが重要です。質より量を重視して、読むスピードを向上させます。

使える教材の例

  • Graded Readers(レベル別リーダー)
  • News in Levels、VOA Learning English(やさしい英語ニュース)
  • 興味のあるトピックの短いブログ記事や英語学習サイト

1日15分でもコツコツ続けることで、語彙の自動認識と文法処理のスピードが上がります。

実践トレーニングプラン(4週間)

以下は目安のプランです。毎日続けることが最大の鍵です。

Week 1(基礎作り)

  • 毎日:チャンクリーディング 10分、音読 10分
  • 教材:やさしい英語の短い記事

Week 2(処理スピード向上)

  • 毎日:シャドーイング(音声に合わせる)10分、音読 10分
  • 多読を週に3回取り入れる(各15分)

Week 3(応用)

  • 毎日:サイトトランスレーション練習 10分、速読チャレンジ 10分(制限時間を設定)
  • 記事を英語で要約してみる

Week 4(定着)

  • 毎日:多読 15分、音読またはシャドーイング 10分
  • 1週間で読んだ内容を英語でアウトプット(短い日記や要約)

この4週間プランを何度か繰り返すことで、読む速さとともに理解の正確さも高まります。

読書時の細かなコツ・便利ツール

  • 視線の幅を広げる練習:一度に見る語数(視野)を増やすトレーニングを行う。短い文から徐々に増やす。
  • タイムトライアル:短い段落を制限時間内に読み、内容をまとめることでスピードアップを測る。
  • 音声付きテキスト:オーディオとテキストを同時に使うことでリスニングとリーディングの相互強化が可能。
  • 辞書ツール:分からない単語は瞬時に調べるより、文脈で意味を推測して先に進む練習を優先する(多読時)。

まとめと次の一歩

英語文章を速く読む力は、チャンクリーディング、音読、サイトトランスレーション、多読といった要素を組み合わせて鍛えます。最も重要なのは継続と習慣化です。短時間でも毎日続けることで、確実に処理速度は向上します。


学習リソース(参考)

  • News in Levels / VOA Learning English(やさしい英語ニュース)
  • Graded Readers(レベル別多読教材)
  • Daily Englishの短い音読・シャドーイング動画(下記リンク)

📺 Daily EnglishのYouTubeチャンネル

速読・音読・シャドーイングに使える短いフレーズや練習動画を毎日配信しています。練習素材に困ったらぜひチェックしてみてください。
🎥 Daily English – 英語耳を育てるチャンネル(YouTube)